精神力 - 2011.01.18 Tue
「スタッフブログは頻繁に更新があるのに、ドクターブログはなかなか更新が無いですね」と患者様より指摘され、何か話題はないかと探してみました。
そこで、新年早々参加した学会に関してレポートしてみたいと思います。
その学会は、スポーツのフィールドで現在第一線で活躍しているドクターやトレーナー達が全国から集まり、年2回開催されているクローズドの学会です。
(スポーツ関連の様々な分野のUp-to-dateな勉強ができる貴重な学会です)

今回は、東京医科歯科大学の宗田教授による「痛点ストレッチ」の実演があり、その効果と即効性に驚かされました。
実際にはスポーツやリハビリの現場で似たような手法は多用されていると思われますが、
今後はその理論が科学的に解明されれば、治療の1選択肢として一般に普及するものと思われます。
次に元全日本バレーボール選手の中田久美さんの講演がありました。
彼女は若干15歳で全日本に選ばれ一世を風靡しましたが、20歳の時に膝の靱帯断裂で手術を受けています。
ご存知のように前十字靭帯再建手術は最近の約25年間で飛躍的に進歩した手術で、現在でこそ術後6~9か月でスポーツ復帰するようになりましたが、当時は術後復帰に1年半以上かかる大手術で、事実上選手生命が断たれる大怪我だったわけです。

また当時は術後のリハビリも確立されておらず、試行錯誤を繰り返す中、彼女は自ら10か月で試合復帰という目標を立て、実際に現実のものとして復帰を果たし、3度のオリンピックで活躍しています。講演の中ではその華やかな活躍の陰の苦悩や努力を教えてくれました。(私が診察した時、中田選手の靱帯は再断裂しておりほとんど機能していませんでした。この膝であれだけ活躍できるのか?中田選手はプレースタイルを変え、工夫することにより、また何より強靭な精神力で現役を続けていたのです。)
多くのスポーツ選手を治療していく中で、大体2つのパターンに分類できます。一つは怪我をしたことをいつまでも悔やんで「あの時のこの怪我さえなければ、、、」と考える選手、もう一つは怪我をして時間が出来たことにより今まで出来ていなかったメンタルトレーニングや栄養管理を勉強したり、総合的にプレーを評価する眼を養ったりする選手。当然後者の選手が這い上がって復活して活躍します。逆境をいかにプラスに変えられるか、最終的には「手術した靱帯」の問題ではなく、精神力の問題だと思います。
そういった意味でも、中田久美選手はトップアスリートの中でも最高の優れた選手であると思います。
恵まれた環境に慣れてしまっている昨今のアスリートに、中田選手のような強い精神力がいかに重要か、今後も様々な講演を通じて伝えて行って欲しいと感じました。


そこで、新年早々参加した学会に関してレポートしてみたいと思います。
その学会は、スポーツのフィールドで現在第一線で活躍しているドクターやトレーナー達が全国から集まり、年2回開催されているクローズドの学会です。
(スポーツ関連の様々な分野のUp-to-dateな勉強ができる貴重な学会です)

今回は、東京医科歯科大学の宗田教授による「痛点ストレッチ」の実演があり、その効果と即効性に驚かされました。
実際にはスポーツやリハビリの現場で似たような手法は多用されていると思われますが、
今後はその理論が科学的に解明されれば、治療の1選択肢として一般に普及するものと思われます。
次に元全日本バレーボール選手の中田久美さんの講演がありました。
彼女は若干15歳で全日本に選ばれ一世を風靡しましたが、20歳の時に膝の靱帯断裂で手術を受けています。
ご存知のように前十字靭帯再建手術は最近の約25年間で飛躍的に進歩した手術で、現在でこそ術後6~9か月でスポーツ復帰するようになりましたが、当時は術後復帰に1年半以上かかる大手術で、事実上選手生命が断たれる大怪我だったわけです。

また当時は術後のリハビリも確立されておらず、試行錯誤を繰り返す中、彼女は自ら10か月で試合復帰という目標を立て、実際に現実のものとして復帰を果たし、3度のオリンピックで活躍しています。講演の中ではその華やかな活躍の陰の苦悩や努力を教えてくれました。(私が診察した時、中田選手の靱帯は再断裂しておりほとんど機能していませんでした。この膝であれだけ活躍できるのか?中田選手はプレースタイルを変え、工夫することにより、また何より強靭な精神力で現役を続けていたのです。)
多くのスポーツ選手を治療していく中で、大体2つのパターンに分類できます。一つは怪我をしたことをいつまでも悔やんで「あの時のこの怪我さえなければ、、、」と考える選手、もう一つは怪我をして時間が出来たことにより今まで出来ていなかったメンタルトレーニングや栄養管理を勉強したり、総合的にプレーを評価する眼を養ったりする選手。当然後者の選手が這い上がって復活して活躍します。逆境をいかにプラスに変えられるか、最終的には「手術した靱帯」の問題ではなく、精神力の問題だと思います。
そういった意味でも、中田久美選手はトップアスリートの中でも最高の優れた選手であると思います。
恵まれた環境に慣れてしまっている昨今のアスリートに、中田選手のような強い精神力がいかに重要か、今後も様々な講演を通じて伝えて行って欲しいと感じました。

